弦哲也さんが音楽生活50周年記念コンサート。都はるみ、五木ひろしら5人がゲスト出演
「天城越え」「北の旅人」など数多くのヒット曲で知られる人気作曲家・弦哲也さん(67)が27日、東京・中央区の明治座で「作曲家・弦哲也の世界~我、未だ旅の途中~」と銘打った音楽生活50周年記念コンサートを開いた。
1368席の会場は、中高年ファンで満席の中、ギターを持って登場した弦さんは、初めて曲を提供した内藤國雄(将棋棋士)の「おゆき」を歌ってオープニングの幕を開け、「作曲家としてのデビュー曲は、内藤國雄さんに作った『おゆき』でした。振り返れば50年という歳月が流れていました。何をやっても駄目だった歌手時代。
歌手と作曲家の2つの道を必死に歩いていた時代。そしてその後、幸運にも素晴らしい歌手たちに出会え、作曲家として歩んでこれたそのすべての時代が、わが50年の音楽人生です。その50年の記念コンサートをこの伝統ある明治座で開けること、そしてこうしてたくさんの皆さんに見守っていただきながら開ける幸せに感謝しています。何よりもうれしいのは、僕と最も縁の深い5人=都はるみ、五木ひろし、石川さゆり、川中美幸、水森かおり=の歌手の皆さんが花を添えてくれたことです。どうぞ皆さん、最後までお付き合いください」と挨拶。
2部構成で、第1部は、弦さんのギター伴奏で、川中が「ふたり酒」、水森が「鳥取砂丘」、石川が「天城越え」、五木が「人生かくれんぼ」、都が「千年の古都」を歌った後、弦さんがギターの弾き語りで、故・美空ひばりさんに提供した「裏窓」と故・石原裕次郎さんに提供した「北の旅人」を披露。
第2部は、弦メロディーから水森が「東尋坊」「大和路の恋」、川中が「二輪草」「一路一生」、石川が「夫婦善哉」「浜唄」、五木が「おしどり」「桜貝」、都が「小樽運河」「邪宗門」を歌い、最後に弦さんが音楽生活50周年記念曲「犬吠埼~おれの故郷~」(詞・弦哲也、曲・五木ひろし、発売・テイチクエンタテインメント)=タイトル題字・川中美幸=と、合唱団をバックに同シングルのカップリング曲「我、未だ旅の途中」を、目頭を熱くしながら熱唱した。
1部と2部、合わせて全20曲のプログラムで最後まで満員のファンを楽しませた弦さんは「作曲家というのはふだんは裏方ですが、今日は、久々に表舞台に立たせていただいてうれしい限りです。大好きな5人の歌手の皆さんに見守っていただきながらの舞台でしたので、感激もひとしおです」と笑顔を見せていた。
コンサート終了後、五木は「弦哲也先生の魅力、それは弦さんの人の素晴らしさがメロディーに表れていると思います。どの歌を聴いても温かいんです。50年という節目、一つの区切りですけれども、これからも大勢の歌手の皆さんや歌が大好きな多くの皆さんのためにいいメロディーを、そして時には歌手としても頑張ってください」と、50年を讃えた。
都は「私は、弦さんの体だけが心配です。これからも体に気をつけて、いつまでも付き合ってくださいね(笑)」。
石川は「本日は、本当におめでとうございます。弦さんの音楽は幅が広いので、これからどんどん変わっていく日本の中でいろんな曲を作っていただき、私も歌わせていただきたいと思います」。
川中は「限りなく大衆に近い弦さんの歌は素晴らしいですね。こういう時代だからこそ弦さんのメロディーは必要になってくると思います。先生にはお世話になりっぱなしですが、先生は私にとって心の支えです。これからも体に気をつけて、私の心の支えになってください」。
水森は「こうして素晴らしい皆さまと同じ舞台に立たせていただけて光栄です。これからも先生のもとでたくさんのことを学ばせていただきたいと思います」と、それぞれに弦さんのさらなる活躍に期待を寄せていた。
弦さんは「縁の深い5人のすてきな歌手の皆さんに見守っていただきながらの50周年のコンサート、僕にとって一生の宝物になりました。『我、未だ旅の途中』ですが、自分の中で歌作りの情熱が残っている限り、この歌の世界で旅をしていきたいと思っています」と、創作意欲を燃やしていた。
50周年記念曲「犬吠埼」について弦さんは「作詞、作曲、歌とすべて自分でやると歌が大味になってしまうんじゃないかなと思い、故郷(千葉県銚子市)をテーマに僕が詞を書き、曲を五木ひろしさんにお願いしました。昨年、たまたま五木ひろしさんと川中美幸さんと一緒に北海道に旅をする機会がありまして、そのとき、作曲を五木さんにお願いしたところ、快く引き受けてくださり、タイトルの題字を川中さんが書いてくださることになりました。3人の友情で出来上がった記念曲です」と、同曲が出来上がった経緯を語った。
その作曲を手がけた五木は「三連のリズムでぜひ作ってほしいというリクエストもありまして、詞を見たら故郷への思いがにじみ出てきたので、何の戸惑いもなくストレートに作ることができました」と話していた。
(サンニュース)
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