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【コラム】演歌界の醜いアヒルの子?演歌女子ルピナス組とは

「目指すは世界」「演歌をもっと若い人に」を掲げる
5人組ユニット・演歌女子ルピナス組に思う

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「演歌男子。」が脚光を浴びたが、女子だって負けてはいない

歌恋(カレン)、西田あい、伊藤美裕、杜このみ、工藤あやの。昨年は、山内惠介、花園直道、川上大輔ら「演歌男子。」が脚光を浴びたが、女子だって負けてはいない。4Kテレビ時代に対応したルックスと歌唱力を備えた逸材はいる。彼女たちの魅力や近況については、追ってお知らせしていこうと思っているが、彼女たちを「演歌男子。」に倣って「演歌女子。」という括りで取り上げてみようと思ったところ、「演歌女子」の名を冠するユニットが登場していた。正式名称は、演歌女子ルピナス組。10代後半から20代と思われる女性5人組で、今後6人になる見込みらしい。

演歌女子ルピナス組とは

こまどり姉妹、裕子と弥生、黒木姉妹など、これまでにも演歌界に姉妹デュオはいたが、血縁関係のないメンバーで構成されたユニットはMIZMOくらい(企画ユニットを除く)。

MIZMO
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そのMIZMOはメンバー・チェンジを経て、今後の展開に向けて準備中という状態にあり、ルピナス組が替わって演歌ユニットという興味深い活動を見せてくれるかも…!?と期待をしてみたのだが、現状は先に名を挙げた演歌歌手たちと同列で語ってよいものかどうか疑問を覚えざるを得ないというのが、正直なところだ。
ルックスは悪くないし、ユニット名にある「ルピナス」という穂のような花が美しい植物にも似た、鮮やかなビジュアル・イメージにも十分に目を惹きつけるものがある。
しかし、一般に「コブシ」や「唸り」といった独特の技術を駆使して表現する歌謡ジャンルが「演歌」だとすれば、彼女たちの歌に条件を満たすだけのものは見受けられず、演歌そのものと言うよりは、演歌のパロディーのようなものといった印象。「パロディー」と言わず「パロディーのようなもの」としたのは、彼女たちの歌が演歌を模倣しているようでありながら、本来のパロディーに必要な批評性を感じさせないからだ。日本文化に興味のある海外の女性が、意識や思想を学ぶことなく、ただ着物を着て日本人に近付いたと思い込んでいるような”なんちゃって感”が漂っているのだ。

ボカロ世代には演歌よりも親しみやすいかも知れない

若頭を務める香村実咲が歌う「ミサノホシ」は、純粋な演歌ファンには違和感しか与えないであろうテクノ演歌。

演歌を含め歌謡曲というものは、何でもありのカオスのようなところが魅力の一つだから、こういう作品が登場するのは歓迎されるべき。ボカロ世代には、圧倒的な歌唱力のもとに熱唱される演歌よりも、テクノサウンドとエフェクトをかけたボーカルで構成される、こちらの方が親しみやすいかも知れないし。

黒うさP
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Pop
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しかし、「演歌」という言葉を敢えて使うなら、なるほど「演歌」だと納得させられる何かがほしい。例えば詞を見ても「ミサノホシ」は、「メソポタミア コスモポリタン」で始まるが、これに続く詞を読んでも文脈が不明瞭で読解が困難。「よこはま たそがれ」とは似ているようで大きく違う。演歌では歌詞が重視される傾向にあるが、ジャンルを越えれば、詞なんか適当でも売れる歌はあるのも事実。例えばBABY METALの「ギミチョコ!!」も歌詞にほとんど意味は感じられないが、演奏陣の高度なテクニックは国内外の熱心なロック・ファンをも唸らせるものだし、ボーカルを務めるSU-METALはアイドル界最高レベルの歌唱力と評されている。歌詞が?でも、他に圧倒的な要素が備わっているので、?を埋めて余りあるのだ。

BABYMETAL
BABYMETAL
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この点でルピナス組は緩い。
1月に行われた「活動開始記念48時間耐久ツイキャス」内で行われた「みんなの演歌作りまっせ!!!」という企画からは「これでええんか」という作品が誕生しているが、こちらにも残念ながら思わず唸らされるような材料は見当たらない。パッチワークのような歌詞は、やはり文脈を辿るのが難しく、口にしても意味のないような言葉をつらつらと並べたが、結局言いたいのは「好きやねん」ということなのかと勝手に解釈してみるしかない。これもまた「パロディーのようなもの」という印象だ。

彼女たちが演歌を広めた時、演歌の概念は大きく変わっている

もちろん緩さを好む人々はいるので、それを売りにするのもよいだろう。「演歌」の言葉を冠したからと言って、誰もがそこに本格的な演歌を期待しているとは限らないのだし。毛蟹は美味いけれど、殻を割って食べるのが面倒だから、カニカマボコでいいという選択の仕方もあるだろう。難解な純文学より読みやすいラノベやケータイ小説の方がいい、そう考える世代も少なくない今の時代であれば、仮に北島三郎より演歌女子ルピナス組を選ぶファンの方が多かったとしても不思議はないのかも知れない。
オフィシャルサイトで”日本のソウルミュージックである「演歌」をもっと若い人に聞いてもらいたい!! そしてもっと大きい事を言えば、世界の人に演歌を広めたい!!”と宣言しているルピナス組だが、彼女たちが演歌を広めた時、演歌の概念は大きく変わっているだろう。それがよいことかどうか、そんなことを言うつもりはないし、そんなことは誰にも判断できるものではない。正解は、時代が決める。
ハッキリ言って筆者には物足りないが、その不足感は別の嗜好を持つ人々には充足感となり得る。今の演歌界に於いては、醜いアヒルの子のようなルピナス組だが、果たして彼女たちは本当に醜いアヒルなのか、それとも…!?

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